PSF経営とナレッジ・リーダーシップ

NEW:デービッド・メイスターのモデルはヘスケット他(2004)「バリュー・プロフィット・チェーン」にも掲載されています

■PSF経営のテーマ

サービスは世界の経済の大きな部分を占めている。なかでもプロフェッショナル・サービス・ファーム(PSF)は知識経済社会の典型的企業群だ。
主として法律事務所をはじめとするPSFのパートナーを支援するMPF社の2008年レポート「The MPF Global 500 Annual Report 2008」によれば、PSFの代表的企業として採り上げられたのは、下記のトップPSF企業(括弧内は同ジャンルに含まれる日本企業)であった。

  • 法律事務所ではClifford Chance
  • 会計事務所ではPricewaterhouseCoopers
  • デザインサービス/事務所ではGensler(日揮、日建設計)
  • 人材コンサルティングではHewitt Associates
  • 経営コンサルティングではAccenture
  • 技術サービスではHewlett Packard Services(富士通、NTTデータ)
  • マーケティングサービスではOmnicom (電通、博報堂)
  • 市場調査ではNielsen(ビデオリサーチ、インテージ)
  • 不動産コンサルティングではCB Richard Ellis

2008年にはこれらのPSF グローバル500社の390万人のナレッジワーカーが5880億ドルの収益を生み出した。そしてこれらの企業セクターに加えて、創造的なビジネスに関わる、「創造階級」とも呼ばれる人々とその産業を加えると、世界の経済がPSFによって進展していくことが見えてくる。そこでは、従来の製造業vsサービス業という分類は無意味になってくるのである。

  • 日本のPSF企業がPSF経営を意識し、グローバルに顧客と市場を広げていくこと
  • サービス・ビジネスモデルを錬磨し、PSF経営企業として伸長する企業が増えること
  • 製造業等がPSF経営をてがかりにサービス化する知識経済でサステナブルに発展すること

がこのサイトのテーマでもある。

PSF経営のテーマ領域は、大きく、1.マネジメント(マネジャーの仕事)、2.クライアント(顧客)関係、3.経営戦略(会社をどう運営するか)、4.キャリア形成(働く成員の成長)に分けられる。このページではデービッド・メイスターの考える経営テーマを徐々に紹介していく。

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1.マネジメント(マネジャーの仕事)

  • マネジャーの役割とは何か?
  • 個人をコーチングする
  • チームをコーチングする

2.クライアント(顧客)関係

  • いかにしてあなたのサービスを顧客の頭のなかに位置づけるか
  • 顧客との関係性をいかに生み維持するか
  • 価値をいかに高めるか

3.経営戦略(会社をどう運営するか)

  • 戦略と組織文化
  • 収益性を高めるには
  • サービスの品質を高めるには

4.キャリア形成(働く成員の成長)

  • プロフェッショナリズムとは?
  • あなたの仕事の価値
  • 成長するということ

PSFの経営戦略(1)

デービッド・メイスターのモデルが「マイスター・モデル」としてジェームス・ヘスケットらの著作「バリュー・プロフィット・チェーン」に紹介されている(p210)。ヘスケット教授はいわずとしれたハーバード・ビジネス・スクールの顧客満足経営の第一人者。同書では従業員の関係性を適切にマネジメントすることが(つまりよいマネジャーが)いかに企業の収益を生み出し得るのかを説いている。メイスターの考え、PSF経営はプロフェッショナル・サービス・ファームだけにとどまらない。

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ジェームス・L. ヘスケット, レオナード・A. シュレシンジャー, W.アール サッサー(2004) 『バリュー・プロフィット・チェーン―顧客・従業員満足を「利益」と連鎖させる 』(山本 昭二, 小野 譲司訳)日本経済新聞社

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2009(c)禁無断転載 本ページはDavid Maisterの許可を得て紺野登及びKIRO (http://www.knowledgeinnovation.org)が『脱「でぶスモーカー」の仕事術』のために制作しました。

脱「でぶスモーカー」の仕事術
トム・ピーターズが「プロフェッショナル・サービス企業経営の師」と仰ぐ、メイスターの最新作

PSFとは基本的には独立した「個」であるプロフェッショナルが、組織的に働くことのできる企業である。本書はプロフェッショナル・サービス・ファームに関わる人々のために書かれたものだが、冒頭で触れられているように、メーカーも含む多くの業種の人々に大変有意義なものとなっている。会計事務所やコンサルティングファーム、シンクタンクや広告会社やリクルート・サービスなどだけでなく、たとえば、メーカーの新事業開発プロジェクトチーム、研究所、デザイン部門などにも有意義だろうし、製薬会社のMR(営業)、ソリューション営業、ITサービス業(システムインテグレーター)、建築事務所、デザイン事務所、あるいは公共サービスからNPO、そしてもちろんスポーツジムやホテル、歯医者、葬祭業等々、顧客との直接的関わりを通じて価値を生み出すことを狙い(戦略)とする多くの人々(マネジャー)にとって、感動的な発見(あるいは耳が痛い経験)をもたらすだろう。

  • ナレッジワーカー組織としてのPSF
  • PSF経営の利益方程式
  • 財務に直結する従業員満足度
  • 顧客との関係性

デービッド・メイスターについて

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